地震計の用語集 – 地震計の勝島製作所
  1. HOME
  2. ブログ
  3. 用語集
  4. 地震計の用語集
BLOG

ブログ

用語集

地震計の用語集

地震の大きさを示す指標として、一般的には震度やマグニチュードが使われますが、当社の地震計は一般の方はあまり使われないようなものも含めて地震の大きさを示す指標を内部で演算しています。それらの値について簡単にご説明します。


Gal(ガル)

加速度の単位。
1秒あたり1cmの割合で速度が増す状態で 1Gal = 1cm/s2 で示されます。 地球の重力加速度は約980Gal。多くの地震計はこのGalの変化を波形として記録して震度演算などを行なっています。

計測震度

3成分(X, Y, Z)の加速度波形を気象庁が決めたアルゴリズムで計算(合成してフーリエ変換やフィルター処理など)した値。
気象庁では、かつて気象台職員の体感で行っていた各地の震度の判断を、1996年からは加速度波形から演算する方法に置き換えました。かつては、震度の違いによって、人の体感、行動、屋外の状況、屋外の状況、建物の被害状況などが文章で表現されていましたが、体感で判断していた時代と同じ結果になることを目指した計算アルゴリズムが採用されています。

震度階・震度階級・震度

計測震度を換算したもので、地震の揺れの大きさを階級で表す指標。
0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7 の10段階で示します。
計測震度の以下がそれぞれ該当します。
(0)0〜0.5未満
(1)0.5以上1.5未満
(2)1.5以上2.5未満
(3)2.5以上3.5未満
(4)3.5以上4.5未満
(5弱)4.5以上5.0未満
(5強)5.0以上5.5未満
(6弱)5.5以上6.0未満
(6強)6.0以上6.5未満
(7)6.5以上

卓越周波数

地震波形記録の中で最も振幅が大きい周波数のこと。
地震波形を様々な周波数の正弦波の和で表現し、それぞれの周波数の振幅をグラフにしたものを周波数スペクトルと呼びますが、その中で最も高いピークを示しているところを卓越周波数と呼びます。

3成分合成値

3つの方向(X,Y,Z)の加速度(Gal)を合成したもののうち、その地震波形記録中で最大の値。

水平成分合成値

2つの方向(X, Y)の加速度(Gal)を合成したもののうち、その地震波形記録中で最大の値。

応答値

観測された地震波が入力された時に、ある固有周期をもつ建造物が共振した結果どのような最大値になるかを、ある範囲の固有周期ごとについて求めたもの。

応答値種別(例:1714)

上記「応答値」のうち応答値種別と呼ばれる4桁の設定値の意味についてご説明します。
(1714はデフォルト値で変更も可能です。ここでは例として使用します)
左から「1」「2」「3」「4」として  (例 1、7、1、4)

「1」「2」が応答値1の応答値種類の設定値 (例では 1、7)
「3」「4」が応答値2の応答値種類の設定値 (例では 1、4)
になっています。

応答値種類の意味ですが、2桁のうち左側については、

0、伝送値なし
1、水平成分加速度応答値
2、水平成分速度応答値
3、鉛直成分加速度応答値
4、鉛直成分速度応答値

2桁のうち右側については、

0、固有周期=0.1〜0.3秒の平均値
1、固有周期=0.3〜0.5秒の平均値
2、固有周期=0.5〜0.7秒の平均値
3、固有周期=0.7〜1.0秒の平均値
4、固有周期=1.0〜1.5秒の平均値
5、固有周期=1.5〜2.5秒の平均値
6、固有周期=0.3〜0.7秒の平均値
7、固有周期=0.5〜1.0秒の平均値
8、固有周期=0.7〜1.5秒の平均値
9、固有周期=1.0〜2.5秒の平均値

を意味しています。

応答値1 「例 1、7」
水平成分加速度応答値 固有周期範囲T=0.1〜1.0秒の平均値

応答値2 「例 1、4」
水平成分加速度応答値 固有周期範囲T=1.0〜1.5秒の平均値

長周期地震動階級

高層ビルなどへの被害想定や、その中にいる人の行動の困難さを地震の揺れから想定する指標。
従来の震度(震度階級・震度階)は、一般的な比較的低層な構造物への被害想定を地震の揺れから想定する指標ですが、周期の長いゆっくりとした大きな揺れに対して、高層ビルなどの固有周期の長い建物は共振しやすく建物が大きく揺れるため、従来の震度階(震度階級・震度)とは別に規定されました。
0〜4までの階級があり、数値が大きくなるほど大きな被害が想定されます。

SI値

地震によって一般的な構造物にどの程度の被害が生じるかを数値化した指標。
一般的な構造物が最も大きく揺れる時の速度成分の大きさから構造物への影響を判断するものです。1961年にアメリカの地震学者ハウスナー氏が提唱したもので、当時は被害想定の指標として加速度値(最大値)が使われていましたが、被害と加速度値に相関が見られないことも多かったことから、SI値が考え出されました。

関連記事