地震計にGPSアンテナが必要? – 地震計の勝島製作所
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地震計にGPSアンテナが必要?

なぜ地震計にGPSアンテナが必要なの?というご質問をいただくことがあります。地震計におけるGPSアンテナの役割についてご説明します。


GPSアンテナは何をしている?

地震収録装置AccuSEISシリーズ( Cento, Cento PRO, Omni, Omni-KⅡplus, Cygnus)は、正確な時刻(UTC=協定世界時)を取得するためにGPS衛星からの電波信号を利用しています。GPS衛星には、精度の高い原子時計が搭載されており、GPS衛星からは、搭載された原子時計を由来とするUTC(協定世界時)の時刻情報が1秒毎に送出されています。

AccuSEISシリーズは、GPS衛星からの時刻情報に「毎秒」同期することによって極めて正確な時刻精度を担保しています。他社からもGPSアンテナを装備した地震観測装置は多数発売されていますが「毎秒」レベルで時刻同期を行なっている機種は限られています。

時刻管理の必要性

地震収録装置 AccuSEISシリーズは、内部で極めて正確な時刻管理を行っています。時刻精度は、最新機種 Cento, Cento PROにおいてはUTC(協定世界時)と1/100000秒(10μ秒)レベルで合致しており、地震波形データにこの時刻情報が付加されて記録されます。

通常の運用においてこれほどの時刻精度が求められることはありません。しかし地震波形を使った建築物の挙動解析、地盤解析の際には、震源からの地震波到達時刻の解析や、他地点で観測された地震データとの比較において非常に有用なものとなります。

「使える」地震データを確保する

現代の地震計は、エレクトロニクスの進化により地震を収録できない(取り逃す)ということがほとんど無くなってきました。(過去には当社内でも比較的大きな地震発生後に「取れた?(収録できた?)」という会話がありましたが、今ではそういった会話はほとんど聞かなくなりました)

取れるのは当たり前の時代にあって、当社は収録される地震波形の「質」に拘りを持って機器の開発を進めています。時刻情報が信頼できることも地震波形データの「質」の重要な項目であり、2002年発売のAccuSEIS Omniから、最新機種のAccuSEIS Centoまで、GPSからの時刻情報(UTC)に1秒毎に同期することを標準として開発を続けています。

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